人間同士の壁。

ここ数日の間に埼玉県立上尾特別支援学校、三重県伊賀市立島ヶ原中学校の

生徒さん向けの講演を行ってきました。

 

まだまだ、表現の方法に改善の余地があると感じておりますが、

生徒さん達は、本当に真摯に聴いてくれて、嬉しく思っています。

 

ここ数年で、発達障害関連の講演は増え、テレビや新聞で

取り上げられることが大幅に増えてきました。

本当に嬉しく思っているのと同時に、気持ちを引き締めなければいけない

と感じております。

冷静にみれば、実際の所、発達障害のことはまだまだ知られておりません。

特別支援教育関連の知識と当事者の存在が一致してきた面は、子ども達に

メリットはあります。そして、当事者が活躍することは、子ども達や

親御さん、支援者の方々の希望になることもあります。

 

だけど、どうしても、「一部だけで、盛り上がっている」感があります。

これは、発達障害に限らず、「障害」という名の大きな壁が世の中にはあります。

この壁を少しずつ崩していかないと、人間同士の壁は取り払うことができない。

 

そして、「障害者を差別してはいけない」と「障害者を好きになる事は、

別のものだと思うんです。僕自身、その障害だけで人を判断するのは良くないとは

思います。だけど、特性をある程度、受け入れた上で、好きなら好き、嫌いなら嫌いで、

いいと思うんです。

 

健常者であろうが、障害者であろうが、その区分を越えても、好き嫌いはあっていいんですよね。

だけど、その人への大きな誤解は解かなければなりません。

これって、誰にでも言えることだと思います。

 

だから、僕自身は、この「誰にでも当てはまる事」を障害と関連させた上で、

子ども達に考えてもらう機会をこれからも作っていこうと思います。

 

そして、発達障害のことを知ってもらうだけではなく、

「悲しみや喜びを背負いながら、誰もが生きている」ということを

感じてもらうことができたら、色々な事は他人事ではなくなるはずですから。

 

南雲明彦

コメント(2) この記事のURL

コメントが2件あります。

  1. 上尾特別支援学校生徒 より:

    南雲様へ
    この前は、私の学校に来て頂いて有り難うございました。とてもよかったです。
    質問をしたかったのですが、はずかしくて出来ませんでしたので、質問させてください。
    私は人見知りをして、人とうまく話せないのですが、南雲さんは、友人との会話は、緊張しませんか?それと、私の姉妹が、小さな音でも怖がって、眠れなくなるぐらい音恐怖症で、心療内科にも通って苦しんでいます。南雲さんのお知り合いにもそういう人はいませんか?南雲さんは大丈夫ですか?どのようにすれば、音恐怖症が軽減できますか教えて下さい。お返事まっています。宜しくお願いします。

  2. なぐも より:

    上尾特別支援学校生徒様へ

    お返事が遅くなり、申し訳ありません。
    先日は講演を聴いてくださり、ありがとうございました!

    さて、ご質問にお答えします。
    僕は友人との会話は、緊張します。基本的に人見知りで、なかなか、自分から声をかけることができません。だけど、そこで悩むよりは、「声をかけやすい雰囲気の自分になる」という事を意識した方がいいかもしれません。いつも、ニコニコしている人は声をかけてもらいやすくなります。

    また、ご姉妹の皆さんは、とても繊細な耳をお持ちなのですね。
    眠れなくなるのは困りますね。ちなみに自分も周りにもそういう方はいます。
    学校で使っている人もいるかもしれませんが、イヤーマフは少し高いですが、効果はあると思います。参考までに、イヤーマフが沢山掲載されているページをお載せします。

    ANZEN MAL:https://www.anzen.ne.jp/soundproof/earmuff.html

    また、お家は外の音が入りやすい場所でしょうか?家を引っ越しするのはすぐには難しいかもしれませんが、自分の場合、住んでいる場所は自分の嫌いな音(車のクラクションや人の話し声など)が入りにくい場所を選びました。

    まずは、嫌いな音を全部をなくすのは難しいかもしれませんが、「どんな音が一番怖いのか?」をしっかり知ることが大事だと思います。

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