「母ちゃんは神様じゃない。」

最近、書類を整理していたら、懐かしいものが顔を出しました。

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「浜田ことばを育てる親の会 35周年記念誌」。

 

不思議なご縁なのですが、毎年のように、島根県の浜田市にうかがっています。

今年は行けそうにないのですが、仕事というよりは、実家に帰った気分で、とても癒やされて帰ってきます。

 

実はこのブログ、朝書いていたのですが、普段荷物を運んでくれるのは、「くろいネコ」が多いのですが、今日は赤い帽子の方がいらっしゃいました。

 

「なんか、注文したっけか?」

 

と考えたのですが、思い当たらず。

受け取ってみると、浜田のお世話になっている方からの「桃」がいっぱいに段ボールに敷き詰められていました。

 

最近、不思議なことが本当に多い。

 

でも、こういう、「予期せぬ幸せ」って、いいですよね。O先生、毎年、ありがとうございます。

 

さて、話は戻って、この記念誌に寄稿させて頂いたんです。ちょうど、5年前。

その時の文章をそのまま、掲載します。

文章自体は荒いですが、今でもこの気持ちは変わりません。

愛だけではどうにもならないこともあると思います。

だけど、愛がもたらす偶然や出来事は確かにあると思うんです。

そして、「親は神様じゃない」。

 

お時間がある方は、読んでみていただければと思います。

 

 

「母ちゃんは神様じゃない。」

 

この度は、三五周年という節目を迎えられたこと、本当におめでとうございます。この場をお借りして、お祝い申し上げます。

 

私は、これまで、自分自身が「読字障害」であることを知らずに、様々な壁にぶち当たってきました。そして、現在のような活動を行っていても、決して、癒えることのない傷が残っていて、それと未だに、格闘している部分があります。そんな時に、私は、浜田の方々と出会い、温かい人柄に触れ、なんだか故郷に帰ってきたような、優しい気持ちになりました。とても感謝しています。

 

適切な支援やアセスメント等は、とても大切な要素です。ただ、一番、根底になければいけないのは、「子ども達への愛」に他なりません。これが欠けていては、今はよくても、その先には、苦しい現実が待っていると思います。愛情だけではどうにもなりませんが、支援だけでもどうにもならないのです。

 

そこで、大人たちも互いのできる部分で子ども達の為に動き、補い合いながら、未完成だったものが完成して、子ども達へ「未来への希望」をプレゼントすることができます。浜田の皆さんは、とてもバランスよく、子ども達の笑顔を引き出しているのだと感じました。とても素敵です。

 

もちろん、決して、うまくいくことばかりではないと思います。悩み、苦しむ時だって、沢山あるでしょう。しかし、代わりなんていない“母ちゃん”の深くて、あったかい愛があれば、大丈夫。でも、母ちゃんは神様ではありません。母ちゃんだって、泣きたくなる時だってあるでしょう。だからこそ、その抱えている重すぎる荷物を降ろしたり、持つのを手伝ってもらったりし合うことが大切です。それが、親の会の意味なんだと思います。大人たちが支え合い、励まし合っている姿を見て育った子ども達は、同じように自分にどんな特性があろうが、支え合い、励まし合って生きていくことを覚えます。

 

会を存続していくことは、周りの理解と応援なくして、為し得ません。しかし、その応援は、皆さんの行動が理解者を増やしていったということをもう一度、振り返り、胸を張っていただきたいと思います。決して、容易いことではありません。

 

私は現在、東京在住ですが、浜田に来た時の人の温もり、子ども達への優しい眼差し、私のような若輩者を包み込んでくださる包容力。そして、先生方の子ども達の未来への真剣な教育姿勢。こんな環境で、子どもが育つことはとても素敵で、正直私も浜田で育っていれば…なんて考えもしましたが、私は、浜田の皆さんのような方々がもっと沢山全国に増えてほしいという想いから、地道に現在の活動を行っていく次第です。

 

これからも遠くからではありますが、皆さんのご活躍をお祈りしております。子ども達の未来を自分らしく輝かせるために。感謝を込めて。

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