いじめない力、いじめられない力。

品川裕香さんから頂きました、品川さんの新刊「いじめない力、いじめられない力」(岩崎書店)

2014-07-23 12.03.15

品川さんをご存知ならおわかりだと思うのですが、単なる「いじめをやめよう」という正論だけど子どもにとって空虚な内容の本ではありません。1つ1つ、取材を丁寧に重ね、提案しているアイディアに対する根拠をしっかりと提示してくれています。

2014-07-23 12.12.06

正直、サブタイトル「 60の“脱いじめ”トレーニング」だと誤解を招きそうですが、何もいじめに対してのトレーニング集ではありません。

 

表面的で気休めなアドバイスは品川さんはまずしません。

 

本書の中に【だいじなことは「いじめとは意図的に相手に精神的・心理的・身体的なストレスをかける戦略的暴力(反社会的な行為)」であり、「集団に発生するもの」と定義して、子ども・家庭・学校・地域が共有すること(p60)】とあります。

 

いじめ自体に目を向けるというよりは、「集団」に目を向け、いじめが起こらないような集団をどのように作り上げていくべきなのか。

それにはもちろん、学校であれば、先生方の学校経営や学級運営という視点で見ていく必要がありますが、それと並行して、個々の意識や生き抜いていくための土台となる力の習得をいかに取り組んでいくべきかという具体的な方法が書いてあります。

 

本書に基づいた意見を述べるとすれば、こういうブログも打ち言葉ではありますが、トレーニングの一環とみても差し支えはないかもしれません。つまり、やりようはたくさんあり、諦める必要はないということなんですよね。

 

深い慈愛に満ちた言葉であり、甘くもなく流行のものでもなく普遍のものであり、品川さんの心からのエールを十二分に感じることができる本です。

 

ぜひ、皆さんに読んで頂きたいと思っています。

 

南雲明彦

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