ディスレクシアとは?About Dyslexia
ディスレクシアの例
文字がにじむ 文字が歪む 逆さ文字に見える 文字がぼやける- ※出展元:日本障害者リハビリテーション協会『「読める」ってたのしい。』より、抜粋
ディスレクシアとは?
知的な遅れはないけれど、聞く、話す、読む、書く、計算する、推論するなどの能力のうち特定のものができない総称を「LD(学習障害)」といいます。
中枢神経に何らかの機能障害があると推定され、このうち特に読み書きに困難を伴う場合を「ディスレクシア」(読み書き困難)といいます。
ギリシア語の「できない(dys)」と「読む(lexia)」に由来し、耳から入る情報、目から入る情報などを正確に自動的にすばやく処理できないことに起因します。
上記にあります「ディスレクシアの例」のように文字がかすんだり、揺らいだり、鏡文字に見えてしまう人もいます。
また、ディスレクシアといっても、「読字」のみに困難がある場合や「書字」のみに困難がある場合("2.主な特徴"を参照)、両方合わせ持つ場合と、人それぞれ特徴が違います。
ディスレクシアの呼称は様々ありますが、ここでは「読字障害」や「読み書き困難」としています。
どれくらいいるの?
日本では人口の約4.5%がディスレクシアといわれていて(アメリカでは約10%)、1クラスに1〜2人はいる計算になります。
ただし、推定であって、正確な調査結果ではないことを付け加えておきます。
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読み書きが苦手とは、具体的にどういう状態なのか?その一例をご紹介します。
「読み書き」について
- ◎ 長い文章を正確に速く読むことが困難、音読が遅い。
- ◎ 文中に出てきた語句や行を抜かしたり、繰り返し読んだりする。
- ◎ 逆さ読みをする。(『36』→『63』など)
- ◎ 字の形を混同する。(『はし』→『ほし』など)
- ◎ 字の置き換えをする。(『はし』→『ほし』など)
- ◎ 勝手読みをする。(『おこと』→『おとこ』など)
- ◎ 一字一句は読めても、文意を取るのが難しい。
- ◎ 字の形や大きさが整っていなかったり、字をまっすぐに書くことができない。
- ◎ 漢字の細かい部分を書き間違える。
- ◎ 鏡文字を書く。
- ◎ 意味の似た漢字を間違える。(『作る』→『使う』など)
- ◎ 単語で覚えている漢字を間違える。(学校の『学』を書こうとして『校』を書くなど)
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「聞くこと」について
- ◎ 似た音を聞き誤る。(『行った』→『知った』、『橋』→『足』など)
- ◎ 個別に言われると聞き取れるが、集団の場面では難しい。
- ◎ 一生懸命聞いても、内容を理解することが難しい。
その他
- ◎ 左右をよく間違える。
- ◎ 視覚的短気記憶が悪い。(見てもすぐ忘れるので板書が苦手)
- ◎ 聴覚的短気記憶が悪い。(聞いてもすぐ忘れるので言われた事がすべてできない)
- ◎ 物の名称などがすぐに出てこない。
- ◎ 計算はできるのに図形や文章題が苦手。
- ◎ 整理整頓が苦手。
- ◎ 忘れ物が多い。
- ◎ 手先が不器用。
- ※出展元:日本障害者リハビリテーション協会『「読める」ってたのしい。』より、抜粋
南雲の場合
- 「書く」
- ◎ 黒板を写すのに時間がかかって授業についていくのが難しい
- ◎ 習字などで、紙からはみだしたり、バランスが取れないため、文字が認識しにくい
- 「読む」
- ◎ 教科書を読むのが著しく遅く、行を読み飛ばしたり、漢字を読み飛ばしたりする
- ◎ 文字を追う事に精一杯で、文章読解ができず、ある程度理解はできていても、
テスト時間内に終わらない - 「聞く」
- ◎ 指示をされても、聞き取る事が難しく、集団行動がうまくできない
- ◎ 連続で複数の事を覚えていることができず、聞き取りミスが多くなり、
叱責される回数が増える
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