不登校のリアル。(休憩談話)毎週、木曜日更新。
【説明】
過去に書いてあった不登校についての文章をアップしていきます。
ざっくばらんですが、結構正直な気持ちなので、あんまり書き直さずに載せていきますね。
(なぐも)
【休憩談話~ある日の不登校の一日~】
10時 起床)
ちょうど、同級生達が病院などの理由で遅れた子も含め、あまり外をうろつかない時間になると起きだし、台所にあるラップをかけられた朝食をレンジで温め直して食べる。
静寂が好きなようで嫌いなので、特に理由もなくテレビをつけ、朝のワイドショーを見る。
間にはさまるテレフォンショッピングも徐々に飽きるが、まぁ、意味もなく見ているので、チャンネルはそのままで。
しかし、じっとしていられず、チャンネルをランダムに変え、結果的に時代劇など見てしまう。
12時)
そろそろ、何か始めようと試みてみるが、勉強しようとしても、学校に行っている同級生の様子が目に浮かび、教科書恐怖に陥る。
そして、漫画を取り出してもみるが、数に限りがあるので、同じものを何度も読み返す。
次第に飽きてきて、ゲームなどで時間を潰す。
「早く、一日終わってくれないかな」という自分と「こうしている間にどんどん周りとの差がついていく」という自分の狭間で一瞬揺れるが、ほとんど迷わず、「一日をどう早く切り上げようか」と意識し、ネットをうろうろする。
ご飯は先ほど食べたのでいらない。
14時)
そわそわし始める。
みんなが待ちに待った下校時間とは対照的に何かとんでもない群衆が押し寄せてくるのではないかとカーテンを閉め切ったり、電気を消したり、気配を消すよう努める。
宅配業者や来客は基本居留守。
あとはじっと待つのみ。
次第に眠気が押し寄せ、夕方まで寝る。
16時)
相撲が始まる。「この力士、関取になる日も近いな」とあまり知識もないのに、妙に相撲通のような発言をテレビに向かってする。
楽しみ方としては間違っていない。
外から学校帰りの人達の声が聞こえてくる。
危機管理能力が高すぎて時間をフライングし、一番じっとしていなければいけない時間に頭がさえる。
余計なことを考え出すのもこの時間。
18時)
少しお腹が空いたので、冷蔵庫を開けてみる。
中には自分の好きなものが入っていない。
買いに行く力はないので、家族の帰りを待つ。
それまでに「どうして、入れておかないんだ!」と怒る準備を丹念にする。
20時)
外は真っ暗。
来客もほとんどこない時間なので、安心して家にいることができる。
しかし、きょうだいなどいた場合、きょうだいが楽しそうに学校の話をし始めると、途端に表情がこわばり、きょうだいの発言の自由を奪う。
お風呂は入っても入らなくてもどうってことない。
22時)
そろそろ家族が寝る体制に入る。
自分一人の時間が来ると浮き足立ち始め、テンションが無駄にあがる。
そして、待ちに待った一人の時間なのだが、どうも張り合いがない。
そこで、また、ネットでうろうろする。
「早く、一日終わってくれないかな」と願っていて、その通りになったのに「何もせずに、一日が終わってしまった」と嘆き、不安が押し寄せる。
不安を埋めるために同じような人をニュースで見つけては、「自分は犯罪など起こさないのだから、まともだ」と、自分の現状を正当化する。
24時)
すっかり、周りが静かになってしまい、ネットも飽きてきたので、とりあえず布団に入ってみる。
しかし、不安なままだから眠れない。
スマホをいじる。
流れてくるツイートをじっと眺める。神経がすり減ってきた頃に自然と眠りにつく。
悪夢をよく見る。
3時 就寝)
(つづく)